「うすくちうるし」が、福井経済新聞とYahoo!JAPANニュースに掲載されました。

「福井・鯖江の漆工房、新商品の薄口酒器 元蔵人、経験基に工夫凝らす」の見出しで、福井経済新聞とYahoo!JAPANニュースに、「うすくちうるし」が取り上げられました。

以下、福井経済新聞より転載。

鯖江市の金継ぎ・漆工房「うるしの駒や」(乙坂今北町)が5月10日、新商品「うすくちうるし」の販売を始めた。

国産ケヤキで作った木地に柿渋を塗り、さらに漆を薄く塗って拭く作業を繰り返す「拭き漆」技法で仕上げた薄口酒器。店主の薮下喜行さんが、福井県内の酒蔵で通算26年、酒造りや営業企画などに携わった経験を生かして開発した。

飲み口の厚さは約1ミリ。繊細な加工を可能とする木材の長所を生かし、飲み口の傾き、厚さ、酒器と手とのなじみ方、器の重さなど細部にわたって試作を重ねた。「熱伝導率が低い木材の特性を生かし、底を厚く設計することで、結露しにくいようにしたり適度な重みを感じられたりするように工夫した」と薮下さん。

開発を後押ししたのは、昨年、東京都内での日本酒展示会で出会った地酒道楽グループ(東京都)代表総店主の野崎紀治さん。薮下さんが手がけた蒔絵(まきえ)入りの酒器を目にした野崎さんが、系列店の移転オープンに合わせたオリジナル酒器の開発を薮下さんに相談し、試作が始まったという。

薮下さんは「ガラス製の薄口グラスや、越前焼の薄口杯など、薄口酒器は酒へのアプローチがよりスムーズであるとしてかねて人気が高い。ただ、薄口酒器は慎重に扱う必要があるのが短所。漆器はそうした欠点を補う物として最適で、漆器特有の優しくしっとりした口当たりを感じてもらえればと考え、金継ぎや蒔絵に加わる新事業の一つとして展開することを決めた」と振り返る。

2タイプの「うすくちうるし」。90ミリリットル用(中央)、120ミリリットル用(右)

120ミリリットル用、90ミリリットル用(各8,800円)の2種を用意し、福井県内や首都圏の酒販店などで販売する。首都圏の飲食店で店内用酒器としても取り扱われ、「米心(まいしん)」(東京都渋谷区)、「和食日和 おさけと 霞ヶ関」(東京都千代田区)、「焼鳥 修」(横浜市金沢区)の3店で目にすることができる。

塗り直しや修理が可能な漆器の特性を生かした同商品。薮下さんは「世代を超えて使うことのできる、今の時代にマッチしたサステナブルな酒器。酒蔵の思いのこもった日本酒を、より趣深くおいしく楽しむきっかけづくりとなれば」と話す。

販売店は同工房のウェブサイトで確認できる。

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福井・鯖江の漆工房、新商品の薄口酒器 元蔵人、経験基に工夫凝らす 鯖江市の金継ぎ・漆工房「うるしの駒や」(乙坂今北町)が5月10日、新商品「うすくちうるし」の販売を始めた。